二宮和子プロフィール

桐朋学園大学音楽科卒業(2期生)。1961年フランス政府給費留学生として渡仏。世界最高峰の音楽家、クラリネット奏者ジャック・ランスロー教授に師事。1963年フランス国立ルーアン音楽院を審査員満場一致の首席で卒業。洗礼されたフランス音楽の伝統を継承する演奏家として注目を集め、ルーアンを中心に演奏活動。1970年帰国。

ソロリサイタルは、1971年~2011年の40年間に、25回を開催(東京文化会館小ホール)。フランス近現代の作品はもとより、世界の”知られざるクラリネット名曲”を意欲的に紹介。本邦初演や委嘱作品初演曲は、20数曲に及ぶ。
マルティヌーのソナティナ(’71年)やドゥニソフのソナタ(’81年)をはじめ彼女の初演曲の数々が、いまや日本クラリネット界のスタンダード曲となっている。

室内楽では、’79年よりピアニスト笠間春子氏とともに「東京アーツ・アンサンブル」を主宰し、20回の演奏会を継続開催。’88~97年ピアニスト平尾はるな氏と「Play the Music」を企画開催(6回)。古典から近現代に至る巾広いジャンルの名曲を紹介。特に、管楽器による”楽しめる室内楽”のプログラミングに趣向を凝らした。

帰国後も、ヨーロッパ・アメリカ・中国の海外7か国で公演。邦人作品も意欲的に紹介。’97年ブルガリア・ソフィアにてモーツァルトのクラリネット協奏曲を演奏。’04年には中国・長春音楽院にてマスタークラスも行う。

クラリネットの国際コンクールでは、スペイン・ドス ヘルナマス国際、フランス・パリ国際クラリネット協会コンクールの他、国内コンクール審査員を数多く歴任。

CDは、「二宮和子クラリネットリサイタル」と、「二宮和子クラリネット・コンチェルト」をフォンテックよりリリース。いずれも好評を得、「ワインガルトナーの5重奏曲」は、CD世界初演として話題となる。

その活動は海外でも高く評価され、1989年にイギリスで出版の「今日のクラリネットの巨匠達~ ”世界55人”」に選ばれる。(”Clarinet Virtuosi of Today”)

世界的音楽家フルートのオーラル・ニコレ氏やピアノのピュイグ=ロジェ女史、クラリネットのジャック・ランスロー氏などが来日の折りには、レクチャーの「通訳」を担当、日仏の音楽文化交流にも貢献。また、クラリネットの画期的な入門書として広く普及の「グルーサン著・クラリネットの合理的原則」も翻訳。

2005年7月、「2005 国際クラリネットフェストTAMA東京」(国際クラリネット協会主催、世界大会)では、世界一流クラリネット奏者たちの日本招聘に尽力。30,000人を動員し、大成功を収めた。

演奏活動のかたわら、桐朋学園大学(’70年~)、尚美学園ディプロマコース(’99年~)、大阪音楽大学(’89~97年)で後進を育成し、優秀なプロ奏者を数多く輩出。日本クラリネット協会・常任理事・桐朋学園大学(音楽部門)同窓会会長も務める。